私の推しコース「ゴルフギアライター・田島基晴さんに聞く」志摩シーサイドカンツリークラブ
編集部:今回のゲストは、数え切れないほどのクラブを打ち比べ、数値や設計意図を読み解き、我々アマチュアゴルファーのために毎日ブログを更新している、ゴルフスタジオアナライズ所属の田島基晴さんです。いきなりですが、ゴルフを始めたきっかけは何でしたか?
田島さん(以下田島):いきなりですね(笑)。昔の職場でゴルフ大好きな同僚に誘われたのがきっかけです。20代後半頃だったかな。仕事終わりに「飲みに行くぞ!」って誘われて行ったら、行き先がなぜかゴルフ練習場だったんですよ。ちょっと騙されちゃったわけですけど、仲間がいるから楽しくて続きましたね。3ヶ月後にはショートコースデビューしました。
本コースデビューの計画が持ち上がった時に、まだ自信がなくて「雨が降ればいいのに」って言ったら、その同僚に「ゴルフは雨でもやるよ!」と言われてすごくガッカリしたことは今でも忘れられないです。でも、初ラウンドには本を買って知識を仕入れて臨んだので、そんなに悪いスコアではなくて。まぁ、後半のスタートで空振り連続4回って言う思い出もありますね(笑)。100はすんなり切れるようになりましたけど、それから伸び悩んで今に至っています。
編集部:それからほどなくして中古ゴルフクラブを扱う業務に移り、現在に至るまでゴルフクラブをウォッチし続けてきている田島さんですが、最近のゴルフクラブ開発のトレンドについて教えてもらえますか?
田島:大多数のメーカーが今は調整機能付き、それも重心位置を動かせるようになってきていますね。調整機能付きのクラブはテーラーメイドのr7ドライバーが最初だったと思います。交換可能なウエイトがソール部分についていました。その後、ロフト・ライ角の変更が可能ないわゆるカチャカチャが流行って、それからまた揺り戻しが来て、可変機能の無いクラブが発売されるようになってきましたね。
そこで私が感じているのは、重心位置やロフト・ライ角を調整できるから高性能なクラブだとは言えないということです。逆の言い方をすると、調整機能が付いていないからと言って性能が悪いわけでは無い、ということ。ですので、調整機能有りきのクラブ選びをしてしまうと、自分で自分の首を締めることになるかもしれないです。本質を見誤らないように気をつけてくださいね。
編集部:今までに「コレは!」と衝撃を受けたクラブはありますか?
田島:古いクラブになりますが、キャロウェイのビッグバーサアイアンですね。あれは革新的でした。形はまるで弁当箱で、ひと目で気に入るようなゴルファーは少なかったと思いますが、キャビティが深く重心距離は長かったので、易しくて距離の出る見本のようなクラブでした。
その他にも通称「タラコ」と呼ばれるPRGRのインテスト、これはパーシモン全盛時代に発売された、既成概念を打ち破るクラブでしたね。確か値段も高かったんですよ。当時ユーティリティという言葉も概念も無くて、「変な形のロングアイアン」だったわけですが、ドライバーと同じくらいの価格で発売されるというチャレンジングなクラブでした。思い切って買ったらコレがすごく良くて、友人にびっくりされるくらいの球が出たんです。懐かしいなぁ。
編集部:それでは田島さんの「イチ推し」ゴルフ場を教えてください!
田島:福岡県にある「志摩シーサイドカンツリークラブ」です。私、全国350コースくらいラウンドしていますけど、シーサイドコースが特に大好きなんです。
東京の若洲ゴルフリンクス、岡山のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部と併せて、この志摩シーサイドCCは日本のシーサイドコースベスト3だと私は思っているんですが、「ゴルフしてて良かった」「ゴルフって最高!」って思える一番のゴルフ場は何と言っても「志摩シー」ですね。コースは癒し系で広くて気持ちがよく、ヤシの木がたくさん植えられていてまるで南国。海に近いので暖かく、冬でも雪が積もらないのでお客さんもたくさん入ってます。みんな「青空! 海! ゴルフ! ビール! 幸せ!」って思ってるに違いないです。ここで天気の良い日にラウンドすると本当に爽快ですよ。トーナメントコースほど有名ではありませんが、オススメです。
教えてくれた人:田島基晴(たじま・もとはる)さん
1963年生まれ、広島県出身。中古ショップ運営会社でゴルフ部門の店舗運営責任者を務め、2008年からマーク金井氏の主宰するゴルフスタジオ「アナライズ」に参加。毎日更新のブログ「アナライズT島の商売してまっせ~ vol.3」がコアゴルファーに人気。最新クラブのスペックから歴史的名器まで造詣が深いゴルフライター。ベストスコア68。
取材・構成/キープペダリング