平野茂の100切りラウンド術・第3回~アイアンのミート率が劇的に変わる構え方の手順

平野茂の100切りラウンド術・第3回~アイアンのミート率が劇的に変わる構え方の手順

コースに出た途端にアイアンが当たらない…。こういう症状に悩むゴルファーは少なくないだろう。

練習場は人工芝のマットであるのに対し、コースでは芝の上から打つのでごまかしが効かないなど、もっともらしい理由をミスする度に上級者に指摘されてしまうこともある。

多くのゴルファーを100切りに導いてきた平野茂プロは、「たしかに人工芝の上でダフったことに気がついていないというのもあります。しかし、それよりもボールとスタンスとの距離の狂いが原因である場合が多いです。練習場では何球も連続で打ちますし、打席とマットが分かれているので、ボールとスタンスの距離が適正ですが、コースでは一発勝負。極端でないので気がつきにくいですが、わずかでもスタンスがボールに近かったり遠かったりすると、ミスの原因になります」と教えてくれた。

ミスショットの原因の7~8割はボールとスタンスとの距離の間違いにあるというから、アイアンの結果がよくないときはスイングを疑う前に、アドレスを疑ってみよう。

ハーフスイングの素振りをしながらボールに近づいていこう

練習場ではボールを置くマットと平行にスタンスマットが置かれている。マットの線を目安にするだけで目標に対して平行に立てるし、スタンスマットの中央付近に両足を乗せればバランスよく構えられる仕組みになっている。

実は、そこに落とし穴があるのだ。

平野茂プロによれば、ラウンドレッスンしていて感じるのは経験の浅いゴルファーたちはパワーポイントというか、自分がクラブを気持ちよく振れる感覚がまだ備わっていないと指摘する。

最も多いのが最初に自分の足元の位置を決めて、それからクラブヘッドをボールに合わせるパターンだという。それでも気持ちよく構えられる場合もあるが、大抵はボールの近くに立ちすぎたり、遠く離れたりして、クラブがスムーズに振れなくなってしまうのだ。

「そこでアドレスをつくる前に、ボールから少し離れた場所で、腰くらいの高さの小さな振り幅で素振りを数回繰り返しましょう。体の回転と腕の振りを同調させて、肩と両腕でできる三角形をキープする素振りによってクラブをスムーズに振る感覚をチェックするのです。あとは、その姿勢のままでボールに近づき、クラブヘッドをボールの真後ろにセットするだけでバランスのいいアドレスがつくれます」

最初にスタンスの位置を決めてしまうところに問題点があるというのだ。

ゴルファーの多くはボールにうまく当てたい気持ちが強いため、ボールの近くに立ちすぎる傾向がある。そうなると腕や手の通り道がなくなり、インパクトが窮屈になって上体が伸び上がったり、体が早く開いたりしてボールを正確に打てなくなってしまう。

平野プロが教えてくれたように、ドライバーもアイアンもハーフスイングの素振りを繰り返しながらボールに近づいていけば、ボールとスタンスの適切な「距離感」がつかめて、バランスのいい姿勢でアドレスできるようになる。

アドレスをつくる練習はスイングづくりの練習よりも重要だ

練習場でできている自分の技術をコースに出たときも存分に出し切れるようになることが100切りの第1歩といっていい。アドレスの体の向きもそうだが、ボールとスタンスの距離感を保つことも重要なポイントだ。アドレスでできていることがコースでできないのは、その技術が本当の意味で備わっていない証拠でもある。

シングルプレーヤーになれば、クラブヘッドをボールの真後ろに置いただけでスタンスの位置をすっと決まり、バランスのいいアドレスを淀みなくつくることができる。それはアドレスをつくる手順が体に馴染んでいるからで、特別意識しなくても自然にできてしまうのだ。

「スイングを構築するのも練習のひとつですが、アドレスをつくるのも練習のひとつです。ある意味、スイングの練習よりもアドレスの練習のほうが重要といってもいいくらいです。最初に打ちたい方向を決めて、ボールと目標を結ぶ飛球線を明確にイメージし、まずフェース面を目標にまっすぐ合わせてからスタンスの位置を決めるという手順でアドレスを丁寧につくることを習慣づけてください」

ボールとの距離感とはボールとスタンスの間隔を適切に保ち、腕やクラブを気持ちよく振るための「ふところ具合」をキープしておくことだ。

間隔がわからなくなったら平野プロのいうハーフスイング素振りを繰り返し、腕がスムーズに振れる「ふところ」の感覚を思い出し、その姿勢のままでアドレスをつくるといい。練習場でこの感覚を磨いておけば、コースに出たときも練習場と同じ姿勢で構えられるようになり、グッドショットの回数が大幅に増えること間違いなしだ。

ちょっと手間ではあるのだが、ボールとスタンスとの距離が適正になれば、それだけでナイスショットの確率は高くなる。練習場での成果が出せるように、しっかりと構えられるようになりたい。

教えてくれた人: 平野茂(ひらの・しげる)プロ

1973年9月29日生まれ。早稲田大学時代は東京六大学野球で2年生からレギュラーとして活躍しプロ野球選手を志す。野球を極めた独自の視点で編み出したスイング理論で、短期間でゴルフも上達し、2007年プロ入会を果たす。現在、東京・五反田に『フラットフィールドゴルフ』を開設し、「飛ぶようになった」「体の使い方が初めてわかった」と多くのアマチュアを短期間で上達させることに成功している。
構成/三代崇(ゴルフライター) 撮影/鈴木祥 撮影協力/富里ゴルフ倶楽部(千葉県)

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