平野茂の100切りラウンド術・第1回~85%以上が陥る右向きアドレスの修正法

平野茂の100切りラウンド術・第1回~85%以上が陥る右向きアドレスの修正法

練習場で取り組んできたことがコースではなかなかできない。

これはすべてのゴルファー共通の悩みといっても過言ではないかもしれない。100切りを目指すゴルファーにとっても、スイングづくりで覚えたことや身についたことが、コースではなかなか実践できないことが多い。上がってみれば100オーバーのスコア。

多くのゴルファーを100切りに導いてきた平野茂プロは「注意したいのは、スイングよりもまずはアドレスの向きです。練習場はマットの向きなど方向を示す線が視界に入るので、ターゲットに対してスクエアにアドレスすることを難しく感じないでしょう。ところがコースに出ると方向を示す線は何もありません。正しくアドレスしているつもりでも8割以上の確率で右を向いています」と説明する。

どうすればコースでも練習場と同じように目標に対して正しくアドレスすることができるようになるか、教えてもらうとしよう。

ボールと目標を結ぶ飛球線を明確にする

練習場にはマットの線があり、ボールをティーアップするゴムティーもあって、自分の目が下を向いたままでも目標に対してまっすぐアドレスできる環境がそろっている。

極論をいえば打つ方向を一度も見なくてもマットの向きと平行にアドレスさえできれば、グッドショットが打ててしまうのだ。

ところが、コースに出たらそうはいかない。下を見ても方向を示す線などが何もないから、どこを向いてアドレスすればいいかがわからなくなってしまうのだ。

「コースに出たらまず飛球線の後方から目標方向を見て、自分の打ちたい方向をはっきり決めましょう。それから下を見たときも練習場と同じような感覚で目標に対してスクエアにアドレスすること。そのためには、打ちたい方向の飛球線上に枯れ芝などの目印(スパット)を見つけて、ボールと2点間を結んで、ボールと目標を結ぶターゲットラインを明確にすることが大切です」

自分のイメージしたターゲットラインに対して平行にアドレスすることがコースでもグッドショットを生み出す絶対条件というわけだ。ところが、自分では目標に対してスクエアにアドレスしているつもりでも、実際には間違った方向を向いてしまっているケースが大半だという。コースに出ると85%くらいの確率で目標の右を向いてしまうというから驚きだ。

どうしてこうした現象が起こるのだろうか。

目標の左を向いて構える感覚に早く慣れよう

ドライバーのシャフトの長さを45インチとしよう。ボールを目標方向にまっすぐ飛ばしたいとすれば、自分の体はターゲットラインよりも左側にあるわけで、自分の体の向きは目標よりも45インチ弱左となる。

つまり、どこまでも平行に続く2本のレールのうち、左側のレール上に立っているイメージが欠かせないのだ。目標に向かって右側のレールがターゲットラインで、左側のレールが自分の体の向きというわけだ。

ところが、200ヤードも先の目標を見ていると錯覚が生じやすく、本当はターゲットラインと平行に構えているのに遠くの目標を見ると体が左を向いているように感じられて、左肩を目標に向けてしまい、結果的に目標よりも右を向いたアドレスとなるのだ。そうなると自分の体がターゲットラインとクロスしてしまうことになり、本能的にボールを左側に引っ張ろうとしてアウトサイドインの軌道を誘発して、スライスや引っかけが多発する。

「まずは狙った方向に対してスクエアにアドレスする感覚に慣れることです。ドライバーなら200ヤード先のフェアウェイセンターを狙うとして、そこよりも20ヤードくらい左を向いているように感じるとか、100ヤード先のピンを狙うなら自分の体が10ヤードくらい左を向いて見えるとか、こうした視覚的感覚を練習場にいるときから経験で覚えてください」

目標の左を向いていると感じるときのほうが、結果がうまくいくことがはるかに多いというから、自分がターゲットよりも左を向く勇気を持つことだ。普段の練習でもマットの向きに頼らないで、ターゲットラインに対して平行に立つ意識をしっかりと持ち、スクエアに構えたときの視覚を常にチェックしておくといい。

アドレスで構えた方向にまっすぐ行くようにスイングを試行錯誤している。ということは、その出発点であるアドレスの向きがコースで知らず知らずのうちに狂ってしまっていたとしたら、狙っていない方向に飛んだとしても、スイングのミスではなくアドレスの向きだけが間違っていた可能性もある。

平野プロによればミスショットの8割以上の原因がアドレスにある。上級者やツアープロでもアドレスの向きには気を使っているので、面倒くさがらずにしっかりとチェックするとともに、ターゲットの左を向いてアドレスする感覚を身につけるようにしたい。

教えてくれた人: 平野茂(ひらの・しげる)プロ

1973年9月29日生まれ。早稲田大学時代は東京六大学野球で2年生からレギュラーとして活躍しプロ野球選手を志す。野球を極めた独自の視点で編み出したスイング理論で、短期間でゴルフも上達し、2007年プロ入会を果たす。現在、東京・五反田に『フラットフィールドゴルフ』を開設し、「飛ぶようになった」「体の使い方が初めてわかった」と多くのアマチュアを短期間で上達させることに成功している。
構成/三代崇(ゴルフライター) 撮影/鈴木祥 撮影協力/富里ゴルフ倶楽部(千葉県)

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