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ザ・名場面「バッバ・ワトソンがマスターズで涙のメジャー初制覇」

ザ・名場面「バッバ・ワトソンがマスターズで涙のメジャー初制覇」
写真/Getty Images

バッバ・ワトソンはPGAツアー屈指の飛ばし屋として知られていたが、メジャーで勝てる選手になるかどうかは評価が分かれるところだった。20代の頃は飛ぶけれど曲がる傾向が強く、勝利には手が届かなかった。

2010年6月のトラベラーズ選手権で、31歳でツアー初勝利を挙げたが、2カ月後の全米プロではプレーオフに進出したものの、マーティン・カイマーに敗れた。

2011年には1月のファーマーズ・インシュランス・オープンと5月のチューリッヒ・クラシック・オブ・ニューオリンズで年間2勝を挙げたが、マスターズでは3日目終了時点で通算5アンダー9位タイにつけたものの、最終日に6オーバー78とスコアを崩し、通算1オーバー38位タイに終わった。

ただ、マスターズは2003年にレフティのマイク・ウィアが勝利を挙げ、翌2004年もレフティのフィル・ミケルソンが悲願のメジャー初制覇。ミケルソンは2006年と2010年にも勝利を挙げており、レフティとの相性の良さを指摘されていた。それを見事に証明してみせたのが2012年のワトソンだった。

首位と3打差の通算6アンダー4位で最終日へ

ワトソンは初日、5バーディ、2ボギーの3アンダー69をマーク。首位と2打差の4位タイと好発進を果たした。首位は5アンダー67でプレーしたリー・ウェストウッド。首位と1打差の2位タイはルイ・ウーストハイゼンとピーター・ハンソンだった。

2日目は3バーディ、2ボギーの1アンダー71でプレー。通算4アンダー3位タイと好位置をキープして予選通過を果たした。通算5アンダー首位タイに、当時52歳のフレッド・カプルスと、ジェイソン・ダフナーが並んだ。ウェストウッドは通算4アンダー3位タイに後退した。

3日目は5バーディ、3ボギーの2アンダー70でプレー。通算6アンダーまでスコアを伸ばしたが、首位と3打差の4位で、上位との差は広がった。ピーター・ハンソンが7アンダー65をマークし、通算9アンダー単独首位。首位と1打差の通算8アンダー2位にミケルソンが浮上。首位と2打差の通算7アンダー3位がウーストハイゼンという並びになった。

プレーオフ2ホール目でウーストハイゼンを下し、10番グリーンで涙の抱擁

この年の優勝争いで強烈な先制攻撃を仕掛けたのは、ワトソンと一緒に最終組の1組前をプレーしていたウーストハイゼンだった。2番パー5で2オンを狙ったショットがそのままカップに入り、アルバトロスを達成。1ホールで一気にスコアを3つもめ、通算10アンダー単独首位に躍り出た。

ワトソンは1番パー4をボギー発進。2番パー5と5番パー5でバーディを奪ったものの、首位と2打差の通算7アンダーで前半を折り返した。

後半に入ると、今度はワトソンが追撃を開始した。12番パー3をボギーとしたものの、13番パー5から16番パー3で4連続バーディを奪い、通算10アンダーでウーストハイゼンをとらえた。

最終組のハンソンとミケルソンはこれに追いつくことができず、優勝争いは2人の一騎打ちとなった。17番パー4と18番パー4はともにパーセーブし、プレーオフに突入した。

プレーオフ1ホール目の18番パー4は、2人とも2オン2パットのパー。そして2ホール目の10番パー4で決着がついた。ウーストハイゼンはティーショットがフェアウェイ右サイドのセカンドカットに止まり、第2打はグリーン手前にショートした。

ワトソンはティーショットを林の中に打ち込むピンチだったが、強烈なフックをかけてグリーンオンに成功。ウーストハイゼンはアプローチを寄せることができず、パーパットも外し、ワトソンは2パットのパーで優勝という絶好のチャンスを迎えた。

ワトソンはファーストパットをピンそば30センチに寄せた後、タップインパーで勝利を決めた。キャディと抱き合った後、その目には大粒の涙が流れていた。


構成/保井友秀(ゴルフライター) 写真/Getty Images

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