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杉澤伸章の「プロキャディというお仕事」第24回

杉澤伸章の「プロキャディというお仕事」第24回
写真/Getty Images

世界への再挑戦がプロキャディとしての目標

ボクがプロキャディとしてこれからやりたいのは、世界の舞台への再挑戦です。ボクが丸山茂樹さんとPGAツアーで戦っていた時、ゴルフはまだテクニックのゲームでした。「なんで150ヤードなのに、190ヤードも飛ぶ6番アイアンを持つの?なるほど、そういうことね」というのが、当時のコースマネジメントでした。

でも今は、ゴルフはパワーゲームと言われています。そういうのって、やっぱり生で見ないと分からないことがあるんですね。

欧米は50歳や60歳になってもキャディを続けている人がたくさんいるので、ボクも50歳までにもう一度、世界挑戦をして、世界のゴルフというものを身に感じたいと思います。

野心のある若手選手の台頭を望む

ただ、ボク一人が世界に挑戦したいといっても、世界に挑戦したい選手がいないと、挑戦が成り立たないんですね。そういう目線で日本ツアーを見ると、今は野心がある選手が少ないです。

一方で、「この選手、本気になったらPGAツアーでも戦えるのに」と感じる選手も何人かいます。中でも永野竜太郎選手のパワーと小技は、いくらでも化ける可能性があります。

また、今のPGAツアーはネガティブワードを言っている選手のほうが活躍する傾向があります。松山英樹選手もそうですし、岩田寛選手もそうです。「こんなんじゃダメです」と言っている、自分に厳しいタイプ。そういう意味では小平智選手が一番近いかもしれません。

そろそろ男子ゴルフ人気復活の時代が来る

石川遼選手と松山英樹選手がPGAツアーを主戦場にして以来、国内男子ツアーの人気低迷がささやかれてきました。その理由をボク自身も考え続けてきたのですが、一番の理由はファンを置き去りにしてしまったことかなと感じています。

たとえば、トーナメント中継を日曜日の夕方に録画放送するのは、視聴者のためではなくテレビ局やスポンサーの都合です。視聴者は生放送でトーナメント中継を見たがっています。生放送できる環境が地上波にないのであれば、BS放送やCS放送でやればいいと思います。

そして、BS放送やCS放送にしたほうが、実はスポンサーもラクになります。地上波で放送するためには億単位の費用がかかりますが、BS放送やCS放送であればそこまでかかりません。

一方で、松山選手がPGAツアーでもスター選手になり、日本のファンの前でも一流のファンサービスを見せてくれました。ファンあってのエンターテイメントという意識は、国内ツアーでも浸透してきました。

さらに、松山選手がメジャーに勝った時、その熱気を国内ツアーの活性化にもつなげる準備を、今のうちからしておかなければなりません。

実はボク、その準備はすでに整いつつあると感じています。2016年の後半戦は、最終ホールまで誰が勝つか分からない試合が続き、賞金王争いも最後まで白熱しました。この流れが2017年も続けば、男子ゴルフ人気復活の時代が来ると思います。

そして、その中から松山選手のように世界へ挑戦する選手が出てくるはずです。その時ボクがサポートできるように、ボク自身も準備をしておきたいですね。

教えてくれた人 プロキャディ 杉澤伸章(すぎさわ・のぶあき)さん

1975年7月5日生まれ、愛知県出身。愛鷹シックスハンドレッドクラブの研修生を経て、横田真一選手の専属キャディとなる。2002年からはプロキャディとして丸山茂樹選手と契約し、米国男子ゴルフツアーを転戦した経験を持つ。ゴルフに関する的確なアドバイスに加え、選手の状態を見極めたメンタルコントロールを得意とするアドバイスのプロフェッショナル。

構成/保井友秀(ゴルフライター)

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