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韓国女子ゴルフ界の大躍進の祖 朴セリ

韓国女子ゴルフ界の大躍進の祖 朴セリ

(写真・getty images)

2000年代に入り、日米両ツアー、いや世界の女子ゴルフ界を先頭に立って引っ張っているのが韓国勢であることは、あらためていうまでもない事実だ。ロレックスランキング(女子ゴルフ世界ランキング)を見ると、トップ10のうち5人を韓国勢が占める。トップ50までを見ると、22人が韓国勢だ。さらに、ロレックスランキング1位のリディア・コのように、国籍はニュージーランドだが韓国系という選手にまで視野を広げれば、さらに人数は増える。これほどまでに韓国勢の強さは際立っている。

1998年にマクドナルドLPGA選手権と全米女子オープンで連勝

米女子ツアーで活躍した韓国勢のパイオニアは、1988年ターコイズクラシックで優勝した具玉姫(2013年急逝)。後に続く者がなかなかいなかったが、1998年の朴セリ登場で一気に火がついた。マクドナルドLPGA選手権でいきなり完全優勝。20歳のルーキーが初出場のメジャーで達成した快挙に世界中が驚いた。

それだけではない。わずか2か月後の全米女子オープンでも、メジャー2連勝の重圧がかかる中、見事に優勝してのけたのだ。この勝利はたやすくはなかった。同年代のアマチュア、ジェニー・チュアシリポーン相手の戦いは大激戦となった。一進一退の末、1打リードで最終ホールを迎えた朴は、ティーショットを左の池に入れる大ピンチ。1打罰を払って救済を受けるかどうか迷った末、シューズとソックスを脱いでウォーターショットに挑んでボギーで切り抜けた。

翌日行われた18ホールのプレーオフでも互いに一歩も譲らず、さらにサドンデスのプレーオフに突入。プレーオフ22ホール目、本戦から数えると92ホール目にようやく朴が4.5メートルのバーディーパットを沈めて決着がついた。

朴セリの活躍を見てゴルフを始めた世代が女子ゴルフ界を席巻

20歳でメジャー2連勝した快挙に、韓国ゴルフ界は大騒ぎとなった。米女子ツアーには韓国メディアが一挙に取材に押しかけ、在米韓国人たちが応援に駆けつける。ツアー側は急遽、ギャラリー向けの“Be quiet(静かにしてください) ”という立て札や、メディアへの印刷物などで韓国語対応を迫られたほどの〝朴セリ旋風”が巻き起こった。この出来事が、今日の韓国勢の強さの礎となっている。

パルパル(88)世代と呼ばれる現在、20代半ばの韓国出身選手たちは、このとき、ちょうど10歳。記念すべき朴の優勝を、両親とともにテレビで見て憧れ、ゴルフを始めた世代だ。その一部が、やがて世界を席巻するようになり、今日に至っているというわけだ。

2007年に30歳の若さで世界ゴルフ殿堂入り

朴はその後も、2001年全英女子オープン、2002年、2006年全米女子プロ選手権と、さらに3つのメジャータイトルを手にするなど勝ち星を重ねた。2007年に30歳の若さで世界ゴルフ殿堂入りを果たした。

だが、2010年ベル・マイクロLPGA以降、勝ち星から遠ざかり、2016年3月、シーズンいっぱいでの現役引退を発表。「できれば韓国に帰って後輩たちを育てたい」と語った言葉どおり、2016年リオデジャネイロ五輪チームの監督に就任している。

米女子ツアー(LPGA)での実績はメジャー5勝を含む通算25勝だが、その数字以上のものを母国ゴルフ界にもたらしたことはいうまでもない。若くして“伝説”となった朴の第二の人生はまだ幕を開けたばかり。後進の指導に専念し、韓国の強さにさらに拍車をかけようとしている。

文/小川淳子(ゴルフライター)

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